[新型コロナ禍 農と食] 花き苦境 思いやる消費地 情熱は奪われない 東京・荻窪の駅前商店街は、うららかな日曜だというのに、緊急事態宣言下の外出自粛で人通りはまばらだ。「俺らも大変だけど、花農家はさぞかし大変だろうな」。創業42年目、「花の柳や」の店主、中田安彦さん(76)が腕組みした。 3月初めから続く学校の休校で卒業式や入学式は中止され、企業の多くが入社式を取りやめた。仕入れていた切り花の行き先がなくなり、店頭でもさばけなかった。「年一度の稼ぎ時を失ったことよりも、花を廃棄せざるを得なかったことがつらい」。生産者が悲しむと思うからだ。 「5月は母の日だけど、どうしたものか」。閑散とした通りの先を見つめ、中田さんが言う。 「母の日」前 相場不透明 その2日前、4月17日。全国有数のカーネーション産地、愛知県西尾市で、花農家の三矢克典さん(62)が宙を見つめた。「今はもう、だるまさん状態。どんどん転がり落ちていくようだ」 27歳で父親から継ぎ、総面積約50アールのハウスで35年にわたり花を出荷し続け、2015年2月、箱詰めから販売まで自らで行う農家集団「匠(たくみ)」を立ち上げた。ようやく知名度が高まってきた今年、新型コロナウイルスの影響で1本当たりの価格が平均で例年の半値以下という「空前の安値」に直面した。 三矢さんは1年1作で毎年約22品種、45万~50万本を東京・大田市場にだけ出荷している。3~5月は、年間売り上げの半分を占める重要な時期だ。例年ならば、「母の日」の出荷予約は締め切られているが、現時点で注文数は昨年を下回り、受付期間を延ばしている。「注文をぎりぎりまで悩んでいる取引先が多い」とJA西三河の生花担当、鋤柄浩太郎さんが打ち明けた。出荷先の首都圏では外出自粛の影響で客が減り、多くの生花店が休業している。 東日本大震災の時も価格が下がったが、一時的なものだった。しかし今回は、緊急事態宣言が5月上旬に解除されるのか不透明で、相場回復の兆しも見えない。 通り閑散も生花店継続 「在宅勤務と休校で家族みんなが家にいるから、一緒に庭や家の中を花で飾ろうと思って」。花の柳やを訪れた夫妻が、店頭を彩る切り花や苗ポットを買い求めた。中田さんは「花をめでる人の心は変わってないのに」と言い、一時は頭をよぎった休業の2文字を振り払った。 西尾市では今日も出荷作業が続いている。三矢さんは今年の花を「昨夏の高温で根腐れしたり、親の介護をしたりする中で育ててきた」と慈しむ。多くの収入を失うが、「どんな状況でもいい花を作れる匠になりたい」と挑戦する心は失わない。(木村薫、栗田慎一) <メモ> 2018年に出荷されたカーネーション2億3410万本のうち、愛知県は4300万本と全国2位。三河湾に近く、温暖な西尾市は国内有数の産地で、17年産は県全体の約6割を占めた。近年は輸入品に押され、カーネーションを含むナデシコ属の輸入量は国内産の1・6倍。県は、出荷期間や日持ちが長い品種の開発を進めている。 日本農業新聞の購読はこちら>> 2020年04月28日
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April 29, 2020 at 05:09AM
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[新型コロナ] 3月貿易統計 牛肉輸入2割増 家庭需要を侵食 - 日本農業新聞
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