防衛省が9日の自民党国防部会・安全保障調査会の合同会議で示した12式地対艦誘導弾の長射程化は、敵基地攻撃能力を含む「ミサイル阻止」の手段にもなり得る。ただ、「ミサイル阻止」をめぐっては、連立与党の公明党が慎重姿勢を崩していない。今回の地対艦誘導弾の長射程化は「敵基地攻撃能力を保有しない」としてきたこれまでの政策の範囲内と位置付け、公明党の理解を得る考えだ。
「どういう用途で(地対艦誘導弾を)長射程化するのか。誤解されないように狙いを明確にしてほしい」
公明党外交安全保障調査会長の佐藤茂樹衆院議員によると、地対艦誘導弾の長射程化について議論した8日の党会合の中で、出席議員からこうした意見が出たという。
「誤解」とは、今回の長射程化がミサイル阻止の一環と受け止められることを危惧したもので、加藤勝信官房長官が「ミサイル阻止に関する新たな方針として開発するものではない」と強調するのもこのためだ。
政府は既に、F35戦闘機などに搭載する長射程の「スタンド・オフ・ミサイル」の導入計画を進めており、12式地対艦誘導弾の長射程化もこの延長線上にあるといえる。
イージス・アショアの代替策を含め、公明党は党としての了承を来週に持ち越すが、「スタンド・オフ・ミサイルの導入は既に了承している。今回の地対艦誘導弾の長射程化についても、方向性に異論はない」(党幹部)という。
菅義偉首相は、安倍晋三前首相が談話に記した「ミサイル阻止」のあるべき方策を年内に示すことは見送るとみられる。来年10月に衆院議員の任期満了を控え、次期衆院選で選挙協力を行う公明党への一定の配慮からだ。
ただ、厳しさを増す日本を取り巻く安全保障環境を考えれば、抑止力強化の議論は待ったなしだ。
(大橋拓史)
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