ロジェ・ヴィヴィエの靴作りディレクター語る「暗い世に手助けを」：朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

　暗いことばかりの世の中に、一筋の光をもたらす靴作りを――。カラフルな色使いやバックル付きのパンプスで知られるフランスの高級靴ブランド「ロジェ・ヴィヴィエ」。クリエーティブディレクター、ゲラルド・フェローニは2024年春夏の新作発表で来日し、「女性たちがポジティブでいられるデザインを作り続けたい」と語った。

　淡いパステルカラーやふわふわのコットンを使った作品群が展示会場に並んだ。着想源は日の出や夕日、雲だ。フェローニは、18年のクリエーティブディレクター就任以来、創業者が築いたレガシーに、現代的要素を加えながら自分の個性を表現してきた。「伝統と革新、そのバランスの取り方を常に考えている」。たとえば長く伸びたつま先が特徴的な「ヴィヴ・カナール」シリーズは、1950年代に創業者がデザインしたアーカイブを再解釈した新作。細く短いヒールにはプラスチック素材を採用するなど、デザイン以上に履き心地を重視し、「物理的にも見た目にも、軽やかさを心掛けた」という。

　自身の仕事は「夢を売ること」だと話す。23日まで伊勢丹新宿店でポップアップイベントを展開。「パンデミックに戦争と、世界中の暗いニュースが瞬時に入ってきてしまう時代。女性たちの気持ちが少しでも明るくなる手助けをしたい」（松沢奈々子）

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