新型コロナウイルスの流行が続く中、似たような症状を呈するインフルエンザがはやりだすと大変なことになります。「インフルエンザ? それとも新型コロナ?」と悩まなければならない状況は可能な限り避けたいものです。そのためにすべきことの一つが「インフルエンザのワクチン」です。今年は例年よりもさらに「接種がお勧め」なのですが、一方で、勧める上での課題もあります。今年のインフルエンザワクチンについて、現状と課題をみていきましょう。
過去のコラム(例えば「インフルエンザワクチンは必要? 不要?」)でも述べたように、インフルエンザのワクチンは接種しても必ずしも感染を防げるわけではありません。年によっては、感染予防の効果がわずかしかないこともあります。ですが、重症化を予防し他人に感染させるリスクが低下しますから、よほどのことがない限りは接種すべきです。米国疾病対策センター(CDC)はウェブサイトに「生後6カ月以上の人全員に、年に1度のインフルエンザワクチン接種を推奨する」と記しています。ちなみに私の考えは、「自分の身を守るため以上に、他人に感染させるリスクを下げるために接種すべきだ」というものです(参考:「インフルのワクチンは『弱者を守るため』に打つ」)。
日本の厚生労働省の見解をみてみましょう。厚労省のサイト「インフルエンザQ&A」のQ9「インフルエンザにかからないためにはどうすればよいですか?」には「インフルエンザを予防する有効な方法」として、最初にワクチンが挙げられています。ただ、対象者が書かれておらず「全員」などの表現はありません。また、米国ではrecommend(推奨する)という表現が用いられているのに対し、日本では積極的にワクチンを勧める言葉が見当たりません。せいぜい「インフルエンザワクチンの接種を検討していただく方が良い」といった歯切れの…
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