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みかんの搾りかすがえさ 新ブランド「紀州和華牛」人気 - 朝日新聞社

 和歌山県特産のミカンジュースの搾りかすなどをえさにして育てる黒毛和牛の新ブランド「紀州和華牛」が人気だ。まだ出回る頭数は少ないものの、地域の未利用資源を活用しながら脂肪交雑(サシ)を抑えることができる。強まる消費者の赤身志向に応えられると、県内外の飲食店などからの引き合いが増えているという。

 県内には、きめ細かな霜降りが特徴のブランド「熊野牛」がある。だが、健康志向の高まりで赤身を好む消費者ニーズも高まっていることから、県畜産試験場などがサシを抑えた牛肉となるよう飼料や飼育方法を研究。昨年2月、「紀州和華牛」のデビューに結びつけた。同4月には生産者、卸業者、飲食店などが安定した生産と販売、PRのために協議会も設立した。

 紀州和華牛は、ミカンジュースやしょうゆの搾りかす、緑茶など、県内で出た食品残渣(ざんさ)を発酵させて作った飼料「エコフィード」を含むえさを与えて育てる。飼料にビタミンが多く含まれるため、一般的な育て方をした黒毛和牛の肉に比べ、抗酸化作用などがあるビタミンEが豊富という。

 現在この牛を肥育しているのは、産業廃棄物処理会社「エコマネジメント」(和歌山市)だ。この飼料を開発、製造しているのが縁となった。

 同社は、地域での食品残渣の循環を目指してエコフィードを開発。2014年から本格的に販売した。実証のために17年からは牛の飼育も始めた。現在は御坊市と湯浅町の2カ所の牧場で、繁殖用の雌の黒毛和牛を含めて約160頭を育てている。うち半数は協議会員の飲食店などから預かっている牛だ。

 紀州和華牛は、5段階の肉質等級で4~2になるものとし、最もサシが多い5の牛は対象外となる。「霜降り」が特徴の黒毛和牛で、あえて霜降りを目指さないという異例の飼育方法をとる。同社の阪口宗平社長は「僕らが牛の素人だったからできた」と話す。現在の出荷頭数は月3頭だが、今後肥育頭数を増やしていく計画で、来年は4、5頭、近いうちの目標として10頭以上を掲げる。

 食肉卸小売業「Meat(ミート) Factory(ファクトリー)」(和歌山市)は、県内外の飲食店やホテルなどに紀州和華牛を販売している。北川美智也社長は「脂の質があっさりしていて、量を食べられる。食べ比べても違いが分かる」と売り込む。

 全国にあまたあるブランド牛の中で、どう差別化を図っていくか。北川社長は、ミカンジュースやしょうゆの搾りかすなどの飼料で育てた地域循環というストーリーは強みになるとし、「お客さんにも違いを説明しやすく、情報発信もしやすい」と話す。海外展開も視野に入れていて、コロナ禍でストップしたものの、実際に取引の話もあったという。

 県畜産試験場によると、サシを抑えた紀州和華牛は、肉のきめやしまりの評価が高い傾向にある。これらの特徴を数値で裏付けて肉のやわらかさやジューシーさを消費者にアピールできないかと、同試験場は今年度から、画像解析で肉の構造を調べる研究に取り組んでいる。まだ出荷頭数が限られているが、県畜産課は「まずは知ってもらい、需要増につなげていきたい」としている。(西江拓矢)

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October 10, 2020 at 08:00AM
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